ライターに記帳代行は必要?わたしが、自分の帳簿は自分でつける理由

「帳簿つけ、正直めんどう……お金を払って誰かに頼めたらいいのに」

確定申告の時期が近づくと、そう思うことはありませんか。

わたしは記帳代行や税務サポートの仕事で、個人事業主の方の帳簿を見ています。

そんなわたしですが、副業ライターとしての自分の帳簿は、記帳代行に頼まず自分でつけています。

結論から言うと、取引の件数が少なく、資料を残して定期的に入力できるなら、ライターはまず自分で帳簿をつけられます。

反対に、入力がたまってしまう人、取引が複雑な人、税金の判断に迷う人は、外部に頼むことを考えたほうが安心です。

この記事では、記帳代行で頼めること・頼めないこと、料金の相場、そして「頼む側」ではなく「代行する側」から見た本音をお伝えします。

目次

ライターは記帳代行を頼むべき?まず判断基準を確認

副業ライターの多くは、まず自分で帳簿をつけられる

ライターの取引は、自分で帳簿をつけられます。

ほかの業種に比べてシンプルだからです。

  • 収入は、クライアントやクラウドソーシングからの報酬の入金
  • 経費は、パソコン・通信費・書籍代・カフェ代など、種類が限られている
  • 在庫や仕入れがない

わたしの場合、副業なので1か月の取引は入金が2回、経費が5件くらいです。

会計ソフトを使えば自分で十分に入力できます。

記帳代行は月額で料金がかかるので、件数が少ないうちは「入力の手間」よりも「毎月の支払い」のほうが重く感じるかもしれません。

▶ マネーフォワード vs freee vs やよいを徹底比較!フリーランスライターの選び方

依頼を考えたほうがいいサインは3つ

次のどれかに当てはまるなら、記帳代行や税理士への依頼を考えるタイミングです。

  1. 量が多い:取引が増えて、帳簿つけが執筆の時間を圧迫している
  2. 複雑になった:収入源が増えた、外注費を払うようになった、高いパソコンを買って減価償却が必要になった、など
  3. たまっている:何か月も入力できておらず、申告前にまとめても終わりそうにない

記帳代行とは?頼めること・頼めないこと

記帳代行は、領収書や明細を帳簿に入力するサービス

記帳代行は、通帳・カードの明細・請求書・領収書などをもとに、会計ソフトに取引を入力してもらうサービスです。

資料の整理や、毎月の残高確認まで含むかどうかは、依頼先によって違います。

似た言葉に「経理代行」がありますが、こちらは請求書の発行や振込まで含む、もっと広い意味で使われることが多いです。

税金の相談や申告書の作成は、原則として税理士にしか頼めない

税理士法では、次の3つを税理士の仕事と定めていて、税理士でない人が行うことを原則として禁止しています(法律で定められた例外を除きます)。

  • 税務代理(本人の代わりに申告などをすること)
  • 税務書類の作成(確定申告書などを作ること)
  • 税務相談(税金の計算について相談に乗ること)

出典:e-Gov法令検索「税理士法」第2条・第52条

国税庁も「有償・無償を問わず」、税理士でない人がこれらを行うと法律違反になると注意を呼びかけています。

出典:国税庁「にせ税理士にご注意ください」

一方で、資料をもとに帳簿へ入力する作業そのものは、税理士でなくてもできます。

つまり、税理士でない記帳代行業者に「入力」は頼めますが、「この支出は経費になる?」という相談や、確定申告書の作成までは頼めません。

「安いので、申告まで全部おまかせで」という業者を見かけたら、税理士が関わっているかを必ず確認してください。

記帳代行の料金相場は、月6,000〜20,000円程度が目安

料金には決まった定価がなく、仕訳の数や、どこまで頼むかで変わります。

公開されている相場をまとめると、次のとおりです。

依頼のしかた料金の目安出典
記帳代行業者(月100〜250仕訳)月6,000〜20,000円程度弥生
時間制の記帳代行1時間2,000〜3,000円程度弥生
税理士事務所(個人事業主)月30,000円程度から弥生・マネーフォワード クラウド
確定申告の時期にまとめて依頼10万〜20万円前後になるケースもマネーフォワード クラウド

記帳代行業者に月6,000〜20,000円で1年間頼むと、単純計算で年72,000〜240,000円です(決算や申告の費用は別)。

見積もりをとるときは、表示価格だけでなく次の点を確認しましょう。

  • 月に何仕訳まで含まれるか
  • 領収書の整理や、過去の分の入力は別料金か
  • 決算書や確定申告まで含むか(含むなら、税理士が関わっているか)
  • 修正をお願いしたときの料金

記帳代行を仕事にしている私が、自分の帳簿は自分でつける理由

件数が少ないので、2〜3か月に1回の入力で回っている

先ほどお伝えしたとおり、わたしの副業の取引は1か月に入金2回・経費5件くらい。

なので、入力は2〜3か月に1回、まとめてやっています。

帳簿はマネーフォワードでつけていて、確定申告も自分でしています。

\ わたしが使っている会計ソフト/

→マネーフォワードクラウド公式HP

税理士さんに頼んだことはありません。

この件数で記帳代行に月額を払うのは、わたしにとっては割に合いません。

マネーフォワードの料金プランは、こちらで詳しく解説しています。

▶ マネーフォワードクラウドの料金を徹底解説!プラン別比較と最安の選び方

仕事で見ていて本当に大変なのは、「入力」より「判断」

記帳代行や税務サポートの仕事をしていて感じるのは、入力そのものより、その前の「判断」のほうがずっと大変だということです。

たとえば、実際によく出会うのはこんな場面です。

  • 毎年のように変わる税制改正への対応
  • 医療費控除の対象になるかどうかの確認
  • 通帳に生活費と事業の経費が混ざっていて、どれが経費かわからない
  • 消費税の簡易課税を選んでいる場合、その売上が第何種の事業にあたるか
  • 減価償却する資産を買ったときの、新品か中古かの確認と、耐用年数の確認
  • 消費税の本則課税の場合、その経費にインボイス(適格請求書)があるかどうか
  • 扶養に入れていた子どもが就職したので外す、年の途中で家族が亡くなった場合の扱い

こうした判断は、記帳代行に入力を頼んでも、自分で決めるか、税理士に相談するしかありません。

逆に言えば、判断に迷う場面が少ない副業ライターなら、入力は自分でやっても大きな差はない、というのがわたしの実感です。

税制改正の例として、青色申告特別控除も令和9年分から仕組みが変わります。

▶ 青色申告特別控除75万円はいつから?ライターが2026年内にすべき準備

自分で帳簿をつけるなら、守ることは2つだけ

仕事で多くの帳簿を見てきて、自分でつけるときに大事なのは、この2つです。

  1. 資料をきちんと残すこと
  2. 定期的に入力すること

1. 資料をきちんと残す

入力は後からでもできますが、資料がなければ入力できません。

請求書・領収書・通帳やカードの明細は、決まった場所にまとめておきましょう。

帳簿や書類には、法律で決められた保存期間があります。

帳簿請求書・領収書などの書類
青色申告7年5年または7年(書類の種類による)
白色申告7年(収入・経費を記載した帳簿)5年

出典:国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」

メールやネットで受け取った請求書・領収書のデータは、紙に印刷するだけでなくデータのまま保存する必要がある点にも注意してください。

仕事で「困る帳簿」の代表が、生活費と事業の経費が同じ通帳に混ざっているケースです。

あとから一件ずつ仕分けるのは本当に大変なので、事業用の口座やカードを分けておくだけで、帳簿つけはぐっと楽になります。

何が経費になるかは、こちらの記事でまとめています。

▶ Webライターの経費、何が使えるの?副業ママが実際に申告している15項目

2. 定期的に入力する

入力の頻度は、取引の件数に合わせて決めればOKです。

わたしのように月に数件なら2〜3か月に1回でも回りますが、件数が多い人は毎月にしたほうが安心です。

いちばん避けたいのは、1年分を確定申告の直前にまとめて入力すること。

時間がたつほど「この支払いは何だったっけ?」が増えて、資料探しに時間がかかります。

青色申告で65万円控除を受けるなら、条件も確認

自分で帳簿をつけて青色申告をするなら、控除の条件も押さえておきましょう。

現在(令和8年分まで)は、次の条件をすべて満たすと最高65万円の控除が受けられます。

  • 複式簿記で記帳する
  • 貸借対照表と損益計算書を添付して、期限内に申告する
  • e-Taxで申告する(または要件を満たした電子帳簿の保存をする)

出典:国税庁「No.2070 青色申告制度」

なお、記帳代行に頼んだからといって、65万円控除が自動で受けられるわけではありません。

条件を満たしているかどうかで決まります。

青色申告と白色申告の違いや、手続きはこちらの記事で解説しています。

▶ 青色申告と白色申告の違いをわかりやすく解説!副業ライターはどっちを選ぶ?

▶ 青色申告の第一歩!ライター向け承認申請書の書き方と提出マニュアル

記帳を頼んだほうがいい人と、依頼先の選び方

記帳を頼んだほうがいいのは、こんな人

  • 入力が何か月分もたまっていて、自分では追いつけない
  • 取引が増えて、帳簿つけに執筆の時間をとられている
  • 外注費・高額な機材・消費税など、判断の必要な取引が増えた

「月に何件以上なら頼むべき」という公的な基準はありません。

かかる時間と費用、そして判断に迷う場面の多さで決めましょう。

依頼先は3種類。頼めることが違う

依頼先頼めること向いている人
税理士事務所記帳

税金の相談

確定申告書の作成
判断に迷うことが多い人

申告までまとめて任せたい人
記帳代行業者資料をもとにした入力
帳簿づくり
入力の手間だけ減らしたい人
商工会・商工会議所記帳の相談や指導
地域によっては記帳の代行
個人事業主の確定申告
自分で帳簿をつけられるようになりたい人
個人事業主の確定申告をお願いしたい人

商工会や商工会議所では、記帳や税務について相談できる窓口を設けているところがあります。

ただし、対象になる人、料金、会員かどうかの条件、どこまで支援してもらえるかは、地域によって違います。

お近くの窓口に確認してみてください。

出典:全国商工会連合会「商工会について~相談したい~」、東京商工会議所「記帳相談」

税理士の探し方は、こちらの記事も参考にしてください。

▶ 税理士ドットコムは違法・最悪?手数料の仕組みと口コミの真相を徹底解説

▶ 税理士ドットコムで無料相談してみる(公式サイト)

よくある質問

Q. 記帳代行は月いくらかかりますか?

記帳代行業者なら、月100〜250仕訳で月6,000〜20,000円程度が目安です。

どこまで含まれるかで金額が変わるので、見積もりで内容を確認しましょう。

Q. 税理士でない業者に記帳を頼んでも大丈夫ですか?

帳簿への入力なら、税理士でなくても頼めます。

ただし、税金の相談や確定申告書の作成は、原則として税理士にしか頼めません。

Q. 簿記の資格がなくても、自分で帳簿はつけられますか?

つけられます。資格は必要ありません。

会計ソフトは、簿記の知識が少なくても入力しやすい作りになっています。

Q. 確定申告の直前に、1年分をまとめて頼めますか?

対応している業者はありますが、受け付けてもらえるか、納期や料金はどうかは業者によって違います。

1年分まとめてだと10万〜20万円前後になるケースもあるので、頼むなら早めに相談しましょう。

まとめ:資料を残して定期的に入力できるなら、まずは自分で

  • 取引の件数が少ない副業ライターなら、まずは自分で帳簿をつけられる
  • 記帳代行に頼めるのは「入力」まで。税金の相談や申告書の作成は、原則として税理士の仕事
  • 記帳代行の料金は、月6,000〜20,000円程度が目安
  • 本当に大変なのは入力より「判断」。判断に迷うことが増えたら、税理士や相談窓口へ
  • 自分でつけるなら「資料を残す」「定期的に入力する」の2つを守る

まずは、1か月分の入金と経費が何件あるか、数えてみるところから始めてみてください。

件数がわかれば、自分でやるか頼むか、判断しやすくなります。

確定申告までの全体の流れは、こちらの記事でまとめています。

▶ 【わかりやすい】副業ライターのための確定申告のロードマップ

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